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2007-04-02 Mon 00:55
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倒産の一言に居なくなる人間はいるとは思ってはいたものの、あたふたと屋敷から走り去る車の音を聞きながら、顧問弁護士が小さくため息をついて、人々の逃げ出す様を呆然と見つめる陽菜の方を振り返り、 『まず会社ですが、後を引き受けてくださる方が現れまして、名前は変わりますが何とかなりそうです。 それで個人的な負債ですが、この家や別荘を処分してもいくらか残ります。 最後に陽菜様の事ですが、まだ未成年と言うことでどなたかに後見人になっていただこうと思ったのですが…後はあなたから話していただいた方がいいのでしょうね』 いかがと言われても、今まで父親の庇護の元世間など知らない陽菜には、恩着せがましい言葉もその裏に隠された胡散臭さも気付くはずもありません。 世慣れているはずの弁護士汗、良いお話しと勧めるのですです。陽菜に抗うすべなど無く、その日のうちに、借金取りに捕まる前にとささやかな荷物をまとめ、必要な書類に言われるがままサインをして、車に乗せられたのです
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