言葉と同時に私の裾よけの紐に手をかけた八千草さんに私は慌てて身をよじりました。 これ以上恥ずかしい姿を晒さないように抗おうにも、私の両手は柔らかな絞りにしっかりと縛められ、すぐにも解けそうで解けないのです。 両手で紐を持ったまま広げた裾よけに縁取られた白のレースの下着に包まれた下半身をじっと見下ろす視線に耐えられず、私はぎゅっと太腿を閉じる反射的に後ろを向いてしまったのです。
『ほぉ…これは素敵な眺めですね…』
『いやぁぁ 見ないで…』
『着物の姿に下着というのは無粋ですが…これは…これで なかなか…』
『やっ やめてください…』
本来ならば着物の時は跡がうつらない様に下着は着けない方が良いのですが、何も身に着けずに外出する心もとなさに、私は薄いレースのTバックを穿いておりました。 反射的に後ろを向いた私は白い豊かな双丘を晒す結果になってしまったのです。 八千草様の指に下着の縁をなぞられ、私は肌を粟立たせ躯を震わせたのです。
『それなら大人しく付いてきてください。』
『はい…』
さすがにこのままここでとは思っていないのでしょう、八千草さんの促す言葉に私は頷くしかなかったのです。 もう一度私の腰に裾除けを回すと、その紐を引いて私を廊下へと連れ出したのです。 今度私が抗えばその紐から手を放し、今度こそ下着一枚の姿にしてしまうのでしょう、私は後ろ手に縛められたままなるべく躯を隠そうと躯を丸め俯いて引かれていく姿は罪人そのものでした。 八千草さんは確か独身で、御家族はどなたもいらっしゃらないはずでしたが、先ほどこちらに案内してくださった秘書の方や何人かの使用人の方は居るはずでしょう。 誰にも会いませんようにという私の願いもむなしく、若い男性が向こう側からやってくるのが眼に入りました。
『おや、社長 これは上玉ですね』
『失礼なことを言うな』
『へへっ 、これは すいません』
私の躯を舐めるように見回す視線に私は八千草さんの影に隠れるように寄り添うしかなかったのです。