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闇色 8
2007-06-01 Fri 00:41

不躾な男性の視線に晒され動転した私は、昼日中に湯文字一枚の女性が廊下を歩いていることに驚きもしないと言うこの屋敷の異常さに気づきませんでした。 そんな事よりも、舐める様に粘つく視線から逃れたく、かといって早く寝室へと強請る事も出来ず八千草さんの陰に震える躯を縮め隠れて居るしかなかったのです。 そんな気の遠くなりそうな羞恥の時は、実際にはわずかな時間だったのでしょうが、私には永遠の責め苦のように感じられました。


「すみませんね、男ばかりの屋敷で柄が悪くて…」
「いえ…」 

ようやく、私の肩を抱くように男の前を離れ、厚い扉を開いて案内された部屋は昼間だというのに厚いカーテンが引かれ、薄暗い中に柱や、訳の分からない物の影が見えます。 そしてその中央に、特注と思われるほど大きなベットが置かれておりました。 これから、ここで、この方に…そう思うと知らずに顔をうつむけ、入り口から動くことが出来ない私に

「どうしました?」
「…」
「その姿をもっと彼に見せたいんですか?…恥ずかしい人ですね」
「えっ?… いやぁぁ!」


八千草さんの言葉に思わず振り向いた私はいつの間にか後をつけて来たのか、すぐ先に立ってこちらを見ている先ほどの方と視線を合わせてしまったのです。 私は小さな悲鳴を上げて転げるように部屋へと飛び込み、そのまま八千草さんの腕の中へと倒れこんでしまいました。 

バタン
がくがくと震える躯の後ろで私の運命の扉が重々しい音をたてて閉じられたのです。

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闇色 7
2007-05-27 Sun 16:34

言葉と同時に私の裾よけの紐に手をかけた八千草さんに私は慌てて身をよじりました。 これ以上恥ずかしい姿を晒さないように抗おうにも、私の両手は柔らかな絞りにしっかりと縛められ、すぐにも解けそうで解けないのです。 両手で紐を持ったまま広げた裾よけに縁取られた白のレースの下着に包まれた下半身をじっと見下ろす視線に耐えられず、私はぎゅっと太腿を閉じる反射的に後ろを向いてしまったのです。

『ほぉ…これは素敵な眺めですね…』
『いやぁぁ 見ないで…』
『着物の姿に下着というのは無粋ですが…これは…これで なかなか…』
『やっ やめてください…』

本来ならば着物の時は跡がうつらない様に下着は着けない方が良いのですが、何も身に着けずに外出する心もとなさに、私は薄いレースのTバックを穿いておりました。 反射的に後ろを向いた私は白い豊かな双丘を晒す結果になってしまったのです。 八千草様の指に下着の縁をなぞられ、私は肌を粟立たせ躯を震わせたのです。 

『それなら大人しく付いてきてください。』
『はい…』

さすがにこのままここでとは思っていないのでしょう、八千草さんの促す言葉に私は頷くしかなかったのです。 もう一度私の腰に裾除けを回すと、その紐を引いて私を廊下へと連れ出したのです。 今度私が抗えばその紐から手を放し、今度こそ下着一枚の姿にしてしまうのでしょう、私は後ろ手に縛められたままなるべく躯を隠そうと躯を丸め俯いて引かれていく姿は罪人そのものでした。 八千草さんは確か独身で、御家族はどなたもいらっしゃらないはずでしたが、先ほどこちらに案内してくださった秘書の方や何人かの使用人の方は居るはずでしょう。 誰にも会いませんようにという私の願いもむなしく、若い男性が向こう側からやってくるのが眼に入りました。


『おや、社長 これは上玉ですね』
『失礼なことを言うな』
『へへっ 、これは すいません』

私の躯を舐めるように見回す視線に私は八千草さんの影に隠れるように寄り添うしかなかったのです。

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闇色 6
2007-05-22 Tue 22:28

『月子さん…』
『あぁ…… 許してください…これ以上は……』
『ひどい人だ、これ以上私を焦らすんですか?』
『そんな…』
『さあ、その上品なストリップを続けてください。』

私の足元から着物を持ち上げ傍らの椅子にばさりと置くと置きながら八千草さんが促すように声をかけられます。 けれども、夫以外の男性の目の前で長襦袢姿で居る事ですら耐えられないのです、これ以上の姿を晒すこと撫で出来るはずがありません。  そんな私を殿方を煽るだけのひどい女だとなじられても、私は指一本動かすことが出来ないのです。 


『駄目…出来ません… 夫を裏切るなんて…』
『裏切るわけではないですよ。 むしろ御主人を助ける為ですよ。』
『許してください… 私には出来ません!』
『しようのない人だ…』
『あっ いやっ』

ただ首を振りぎゅっと躯を縮込めているだけの私を無理やり振り向かせると伊達締めに手をかけたのです。 反射的に抗う私の手を握り締め、耳元で囁くと一気に伊達締めを引き抜き肩から脱がせたのです。 薄いガーゼの肌襦袢と白い裾除けだけに覆われた私は、 胸を両腕で覆いしゃがみこもうとして、力ずくで引き起こされ、肌襦袢の紐を解かれてしまいました。 ぷるん、押し込められていた豊かな白い胸がまろびでたのです。 明るい日差しの中で下着姿を見られ恥ずかしさに声を上げ逃れようとする私から、なんなく肌襦袢を剥ぎ取り、じっと私を見下ろす八千草さんは、ほうと溜息をつき、その視線の強さに私はいたたまれず、ただ子供のように首を振り身をよじるしかないのです。


『やはり、思ったとおり…こんな魅力的な躯を隠していたんですね。』
『お願いです…放してください…』
『もう遅いです。 さっ いらっしゃい』
『えっ』
『まさか、ここで抱かれたいんですか?』
『っ…』

顔を背け逃れようとする私は腕をきつく掴まれたまま、思いがけないお言葉に驚いて見返してしまいました。 そうです、私は八千草さんのお申し出に驚き、夫以外の男性の前で着物を脱ぐという異常な状況に、場所にまで思い至らなかったのです。 いつ誰が来るともわからない客間で、いつまでもこんな姿で居ることは出来ません。 かといって、裾よけ一枚の姿で廊下に出る事も出来ようはずがありません。 せめてもと、着物に伸ばした私の手を掴み厳しい声で命じたのです。

『さぁ こちらへ 』
『まっ 待って…せめて着物を…』
『駄目です。 最後迄自分で脱げなかったのだからそのままです。』
『いや…こんな姿で廊下に出るなんて…』

ぎゅっと握り締めた着物を胸に当て、身をよじる私に、仕様がないと首を振ると椅子の上から帯締めを取り上げて、私の手首を掴み後手に一つにまとめて括ってしまったのです。 

『いやっ 何をなさるの!?』
『これ以上逆らうと、最後の一枚も剥いでしまいますよ』

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闇色 5
2007-05-17 Thu 23:24

私の差し出した紐を受け取り、微笑んだように見えたのは気のせいでしょうか? 視線をあわせることなど出来ずにうつむく私ですが、絹物の中までも見通そうとするかのような八千草さんの視線は痛いほど感じられます。 けれども、心が決まってしまったからでしょうか,震える指先ながらも今度は絞りの柔らかな生地のおかげか帯揚げはたやすく緩み、しゅるりと帯枕ともども床へと落とせました。 一瞬でも手を止めたら、気持ちが萎えてしまう、そんな急かされる様な心と、人の前で絹を脱ぐというはしたない事を早く終わらせたいという思いで、私は背に手を回しそのまま帯を解いたのです。 床に作った錦の渦から抜け出す私に手を貸してくださった八千草さんはそのまま床に散ったものを拾い上げて椅子の上へと纏めてくださいました。 

「あっ… すみません」
「いえ… 貴方の身につけていたものですから…」
「恐れ…入ります…」
「しかし…男というのはわがままですね。」
「えっ?」
「早く貴女の全てを見たいとも思いますし、もう少し、絹に隠された貴女を見ていたい とも思いますし…」

この一言で私の伊達締めに向かった手は宙に浮いてしまいました。 やっと決心して帯を解いたのというのに、夫以外の人に身を任せる為に自ら着物を脱ぐというはしたない行為が否応無しに意識されて、私の躯は明るい日差しの中で動くことが出来ませんでした。 唇を噛み締める私をじっと見上げる八千草さんをこれ以上御待たせする訳にはいかないと挫けそうになる心を励まし、ようやっと伊達締めを解くと押し込められていた乳房がまろび出てきました。 豊かな胸は本来ならば補正の下着を使い抑えておくべきなのでしょうが、着物は無理をして着るものではない、わざわざ補正などする必要は無いと、着物好きだった亡くなった祖母に教えられ、特別な下着など着けずに着付けておりました。 前の肌蹴た藍鼠色の鮫小紋に縁取られた相思鼠の襦袢に包まれた胸を見られる恥ずかしさに、私はとっさに両腕で胸を覆い後ろを向いてしまいました。 そんな私を咎める事もなく見つめる八千草さんの熱い視線を感じ私はただ背震わせているしかなかったのです。 それでも、うなじに背に注がれる視線に促されるように、腰紐をとき引き抜くと、私を包んでいた絹物の前が開き、私は瞳を閉じて、ゆっくりと左肩から着物を滑らせたのです。 こくっ…喉を鳴らす音が静まり返った客間に響き、左手から滑り落ちる着物がそのまま右肩から滑り床に落ちる音と重なりました。

「あぁっ…」

長襦袢に包まれた躯を両腕で抱いて、私は恥ずかしさに小さな声を上げてしまいました。

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闇色 4
2007-05-08 Tue 23:02

いつもなら何の抵抗も無く解ける組紐が、震える指のせいでしょうか、なかなかいう事をきいてはくれません。 本来一人で行う着替えを夫以外の男性の前で行わなければいけない躊躇いと羞恥に、今すぐ逃げたしたいという私の心に、八千草さんのお気が変わらないうちにと焦る心が重なり、私の指は一層震え強張りを増します。 うつむき、必死に指動かそうとする私は、八千草さんがついた小さな溜息に、びくりと躯を強張らせたのです。


「ふぅ…もう いいです…」
「まっ 待ってください」
「無理強いはしたくないと言ったでしょう。 嫌なら、そのまま帰りなさいと。」
「いっ 嫌だなんって… っ…」


思わず上げた顔にじっと見つめる八千草さんの顔がありました。 見捨てられてしまった… 私の心を襲った絶望感に何も考える事など出来ずに八千草さんの足元に跪き必死に膝に手をかけておりました。 そんな私を見下ろ問いかける声は少し厳しさを増しておりました。

「自分で脱ぐことは出来ないのですか?」
「…っ は い…」
「では、『脱がせて欲しい…』、その口から願いなさい。」
「そんな…」
「自分で脱ぐのは無理なのでしょう?」
「…は…い…」
「だったら、このまま帰るか」
「それは出来ません」
「ならば…私が脱がせるしかないのでは?」
「っ…」


男性の前で着替えるなんてはしたないことは出来そうにありません。 そして、このまま帰っても何の解決にもならないことは私が一番よく分かっております。 今は八千草さんのお情けに縋るしかない事も…。
それでも、夫でもない男性に着物を脱がせて欲しいなどとはしたない言葉を自分の口から言うことは出来ようはずがありません。 私の心は千々に乱れ、こんな選択を迫る八千草さんを恨みたくさえなりました。 次の拒絶の言葉を聞く前にはと焦った私は、はしたないお強請りの言葉を言うよりは、せめて己の手で帯までならと心を決めました。 そんな私の心をお見通しになったかのように、見下ろしていらっしゃった八千草さんは、私の手を握り一緒に立ち上がったのです。


「月子さん…?」


問いかける八千草さんに、私は意を決したかのように頷き、今度は震えのおさまった指で帯締めを解いたのです。


きゅっ… しゅっ…絹特有の軋みをあげて解かれ引き抜いた帯締めを纏めて私は八千草様に差し出したのです。
ぱさり…背中で錦が流れる音が私の耳に突き刺さりました。

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